2013年3月29日金曜日

「引き入れてくれる」アーティスト,Tuck & Patti


今日はBlue Note東京へTuck & Pattiさんのライブを観に行ってきました!
心に直接迫ってくるような圧巻のステージでした。

まずTuckさんのギター、CDで聞きなじみのある楽曲が数多く演奏されましたが、そのどれもがCDでの演奏とは違う、とても変化に富んだものでした。
奥沢師匠から教わったFlexibilityというコンセプト、単なるvariationではなく、Pattiさんの呼吸に合わせどんどん変化していく演奏。
この自在に操れる変化がお二人の有機的なコンビネーションの一端を担っているのではないかと感じました。

そしてPattiさんの歌。
観客ひとりひとりをしかと見つめながら紡ぎだされる言葉。
ときにやさしく、ときに激しく。
それは歌を通りこして祈りのようです。
Soulというジャンルがあるのですが、その由来は「魂を揺さぶるような歌」であることからです。
Pattiさんの歌を聞いているとそれを思いだします。
声が自分の奥底まで響いて本当に魂を揺さぶられるようなのです。
それはきっとPattiさんがとても深い愛情と熱い魂を観客に届けんとしているがためでしょう。

お二人のステージを見ていると、とてもスピリチュアルな空間に引き込まれるようなのです。
そしてそれは、とても優しく手を取られているように感じます。
お二人の感じている愛に満ちた空間に音楽で引き入れて頂いているようです。
例えばPat Metheneyは自分の世界を怒濤のように「魅せる」アーティストだと思います。
そして聞き手はそのスペクタクルを楽むのだと思います。
対してTuck & Pattiさんはお二人の世界に「引き入れてくれる」アーティストなのだと思います。
だからライブを通してこんなにも心が動くのでしょう。

人々の心を本当に動かせる、そんなアーティストに自分もなりたいと思って止みません。