2013年3月20日水曜日
前提から疑ってみよう。非ユークリッド幾何学にみるCritical Thinking
カフェ休日の昼間は社長とお茶を飲みながら談話するのが定番となっています。
本日のお題はCritical Thinkingの重要性。
自分たちの考えや認識が本当に正しいのか。
ゼロに立ち返り、思考を巡らすことで新たなアイディアに出会えたり、未来への指針が見えてきたりします。
身の回りには常識とされていることや当たり前とされていることで溢れているように思います。
思考をする上で前提となっている事柄を疑うことがCritical Thinkingの始まりだと思うのです。
紀元前から数学の幾何学の原典とされていたユークリッド幾何学というものがあります。
五つの公理に基づいて様々な定理が証明されています。
でも実はこの五つの公理自体は証明されてないんです。
例えば五つ目の公理は「平行線はどこまでいっても交わらない」というものです。
確かに紙に書いてみれば交わらないということはわかります。
「証明できないけど明らかに間違いないよね。だからこの決まりを基に理論を展開しようよ」ていう具合です。
しかし平行線は交わることがあるのです。
それはどういう場合でしょうか。
球面の上に書いた場合です。
そしてその場合でも矛盾のない理論体系が確立できてしまうのです。
これが19世紀に成立した非ユークリッド幾何学です。
ここで重要なことは平行線は交わる場合もあるということではなく、前提となっている公理が変わっても矛盾のない理論が構築できるという点です。
ちょっと大きな話になりましたが、普段の思考において、矛盾のない筋の通った思考であっても疑う余地は多いにあるということでしょう。
自分で盤石な理論だと思っていればいるほど、懐疑的になりにくいものです。
しかし、間違った前提の上でも矛盾のない理論を打ち立てることは可能であることを忘れてはいけないと思います。
そして思考の前提から覆すつもりで考えることが重要なのではないでしょうか。