2019年12月28日土曜日

Acousphereライブに寄せて。感じたことと所信。



僕らSonascribeは今年一年は特にライブの多い年だった。
それはそれで進歩した部分もあったかもしれないが、次の一歩を進めるための決定打の糸口は以前っとして掴めていない。

そんな折に久しぶりに師匠であるAcousphereさんのライブを拝見することができた。
テクニック、サウンド。そしてその場の空気を変え、惹きつける影響力。
心の琴線に震わせるすごいステージであり、ものすごく感動的だった。

ステージとは。音楽を人前で演奏する意味とは。
そういったものを観せて頂いたように思う。

音楽で必要なのはいうまでもなく感動だ。
しかし僕のようなものはしょっちゅうそれを忘れてしまう。

ミスがないかとか、リズムがよれてないかとか、MCで噛んでないかとか、カッコよく見えているかとか。そういったことしかまだ考えられていない。
確かに大事な事柄たちだ。
ミスが多かったり、立ち居振る舞いがカッコ悪ければ感動以前の問題だ。
しかしステージに立つ以上それはクリアしていて当たり前のものばかりである。
ミスがないようになんてことを目標にしているようでは三流もいいところである。

自分の目線の低さに半ば絶望しながらも、そもそもそれはエネルギーや考えの向いている方向の違いであることに気づいた。

ミスなどに関しては内向きのエネルギーの使い方である。
人々に向かって感動を届けるのは外向きのエネルギーだ。
しかしミスは野放しにいてはいけない。内向きのエネルギーも必要だ。
つまり内向きのエネルギーと外向きのエネルギーがいる。
そうなると二倍の絵エネルギー量がいるというわけだ。

今までの自分たちが内向きのエネルギーがある程度達したところで満足してしまっていたと思う。
そこで外向きのエネルギーを出していくことが必要になるのだが、これは果たしてどのような力の使い方なのか。

これが正解かはわからないが今の考えを書いておきたい。
外向きのエネルギーとは滲み出てくるようなものだと思う。
ライブだからといって気合を入れて出せる類のものではないように思う。

共有であったり、まったく誰かのためであったり。
自分が中心にいないことが外向きのエネルギーが出ている状態なのではないだろうか。
人は自分で考え自分の目でものを見ている。
したがって主観的な立場から離れ滅私するのはとてもエネルギーのいることだろう。
普段からそんな状態でいてこそ、そのエネルギーはステージで滲み出る。
少なくとも師匠はそのように生きていると思う。

音楽は心、音楽は人間性。
昔から言われてきたことかもしれないが、音楽を続けていくほどにこの言葉が身に沁みる。

いいステージ、いい音楽のために内向きにも外側にもエネルギーを持たねばならない。
今までは内向きのエネルギーばかりであった。単純に熱が足りなかった。
それではいい音楽を生むことはできない。

この思いと経験を胸に精進を続けたいと思う。


なお師匠のステージを観たあとで形骸的な真似だけして盛大にズッコけた。
このあと何度かこの文を読み返すであろう未来の自分への戒めをこの文の結びとしたい。
努努怠らぬよう。

2019年12月28日