2016年7月28日木曜日

ジミ・ヘンドリックスにみるペンタトニックスケールの可能性




ここのところ、ギターのレッスンで1人の生徒さんとジミ・ヘンドリックスのリトルウィングのコピーに取り組んでおりました。
ジミヘンドリックスは1番影響を受けたギタリストの1人で、リトルウィングも昔コピーし、長らく弾き込んできた曲です。

今回、そんな愛聴曲をレッスンで教えることになり、僕自身も1からコピーするつもりで取り組んできました。

リトルウィングのメロディアスなコードワークを今改めてコピーすると、どういう側面が聴こえてくるんだろう思っていました。
しかし、いざコピーしてみると1番関心を惹いたのは以外にも最後のソロの音使い。

使っている音はスケールでいうとマイナーペンタトニック。
しかししっかりコードトーンを押さえている。
ペンタトニックスケールを使ってコードトーンへアプローチしているという感じです。

またここぞという所ではペンタにない音を使いコードトーンへアプローチ。
それがまたペンタの世界から一歩広がった感じでとても印象深いです。
またジャズギタリストがやるようなコードフォームを縦になぞっていくような動きもあってなるほどという感じ。
晩年ジャズへ傾倒していたと言われる彼ですがそれを裏付けるようなジャズっぽい動き。

マクロな視点で見てはマイナーペンタ+αの音使いでアナライズが終わってしまいますが、このようにコードトーンという観点からみるとジミの音使いの秘密が明らかになってくるように思います。

実際弾いてみるとわかるのですが、クラプトンが弾いているようなペンタフレーズとはかなり作りが違っていて弾きにくいと感じる方もいるんじゃないでしょうか。
コードトーンを追っていくとスケールライクなフレーズの時とは運指の感じが一味違ってくるからです。

コードトーンを押さえていくことでフレーズはメロディアスで説得力のあるものになります。
それでいてジミの場合、ソロ全体の音使いはペンタトニックですので、ペンタトニックスケールが持つ空気感はしっかり残っていてジャズではなくロックの匂い伝えてくれます。
ペンタトニックスケールとコードトーンへのアプローチの同居がジミのフレーズの秘密なんじゃないでしょうか。

ペンタトニックはギターで非常に弾き易いスケールです。
故にギターを伸びやかに鳴らしやすいおいしいポイントでもあります。

ペンタトニックが持つ独特のポップな世界観とギターでの対応のし易さに、コードトーンへアプローチを巧く組み合わせることでかっこいいソロまだまだ生み出していけるんじゃないでしょうか。