2015年12月1日火曜日
ウェス・モンゴメリーとチャック・レイニーの常軌を逸した奏法の源は継続にあると思う。
ジャズギターの巨人、ウェス・モンゴメリー。
右手の親指一本で放たれるファンキーなフレーズは今聴いても全く色褪せない。
そしてウェスのサウンドの肝はやはりあの右手親指。
しかしこれがまた難しい。
同じ弦での横向きの動きではなく、下の弦に向かう縦型の動きが多いなど、一応親指で弾きやすい運指にしてあることはあるのだが、それを加味しても親指に相当なスピードが要求される。
加えて親指でアップピッキングも行っている。
しかしスラップのアップピッキングのようにはなっていない。
しかも指先の肉部分を当てて爪によるピーキーな音が出ないようになっている。
ここで僕が思い出すのだベーシストのチャック・レイニーだ。
エレクトリックベースのスタイルを確立した1人だが、彼は人差し指一本で弾く。
しかもダウンピッキングも行う。
ベースでは普通、早いフレーズの時は人差し指と中指の2フィンガーで弾く。
(ハイテクハードロック系では3フィンガーのプレイヤーもいるが)
しかしチャック・レイニーは人差し指一本でダウン、アップを織り交ぜたオルタネイトピッキングを行う。
本人が言うには2フィンガーが苦手で人差し指だけでなんとか弾こうとしているうちにこうなった。
そのうち人差し指の付け根に大きな筋肉がついてきたとのこと。
ウェスもインタビューでこう言っている。
親指で弾くのが普通だと思ってずっとそうやって練習してきた。
他の指の使おうと思えば使えるけど、親指並みに動くようになるには15年くらい練習が必要だろう。
つまり親指もここまで動くようになるまで15年くらいかかったということなのではないだろうか。
ウェスもチャックも自分のスタイルをずーーーっと続けて練習していく中で他の人にはできないことができる手を作り上げたのだ。
ひたすらに継続、これに敵うものなしと思います。
そしてジャズ、ブルーズ、ソウル、ロック、こうしたポップミュージックを担う楽器は演奏スタイルが千差万別なのがまた面白い。
その継続のなかで、さまざまな化学反応が起こるのだ。
[Sonascribe Live]
2016年 2月2日 19:00 吉祥寺スターパインズカフェ
詳しくは
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