2013年4月19日金曜日

Bohemian RhapsodyにみるFreddie Mercuryの孤独


現在、QueenのDon't Stop Me,Nowのカバーを次回作として制作しています。
Queenは高校の頃から大好きなのですが、 やっぱりBrian Mayのギターよりも断然Freddie Mercuryの歌に耳を奪われてしまいます。
フレディーの歌の魅力は音域の広さや歌唱力の高さではなく、その声から伝わってくる決意、強さだと僕は思います。

その強さの根源は何なのか、その答えはBohemian Rhapsodyにいくつか隠されているように思います。
ボヘミアンとはいわゆるジプシー、定住をしない移動生活型の民族で、しばしば放浪者、流浪の民の同義語とされます。

フレディーはペルシャ系インド人の家系で、幼少期をインドで過ごし、その後家族でイギリスに移住しています。
彼はずっとマイノリティーというアイデンティティを背負い、生きてきたのではないかと思います。
まずペルシャ系ということで、インド人のなかでもマイノリティー、その後のイギリスでも同様だったはずです。
フレディーは幼少期から周りと違うという意識を持って育ってきたのではないでしょうか。
加えてセクシャルマイノリティーである彼の孤独感は相当なものだったと思います。

そんな彼から発されたBohemianという言葉は流浪の民という表層的な意味よりも一層深い悲しみを伴っているように感じられるのです。

「僕は貧乏少年、哀れみはいらない。だってどこへでも流れていくから」
「ママ、今日ある男を殺した。あなたを悲しませたくなかったけどもうここへは戻らない」

フレディー自身はこの歌詞を特になんの意味もない寓話だと発言しています。
でも僕は彼の複雑な生い立ちや特異な生き様をこの曲から感じずにはいられません。
フレディーは周りと違うことを恐れながらもそれを受け止め、自分にはこの生き方しかないという決意を音楽を通して表明していったのではないでしょうか。
だからこそ彼の歌には人の心を捉える強さが漲っているのだと思います。