次回作のプリプロ及び井上君の本録が終わり、いよいよ僕の番がまわってきた。
今回使うギターはアイバニーズのスティール弦。
ここ一年はナイロン弦をメインにしていたので、スティール弦を本気で弾くのはかなり久しぶりだ。
レコーディングでの演奏で重点をおいているのは良い音を出すこと、歌詞が聞こえてくるようなニュアンスで弾くこと。
返す返すもこの2点だ。
まず、良い音について。
ピックの角度、当て方、力にすべてがマッチングしないといい音が鳴らない。
ピーキーなアタックが無く、芯のある太い音が出ているかを聞いて判断する。
また波形をみて視覚的にも判断する。
上記のような太い音は波形の減衰が緩やかだ。
波形の頭だけガンと出ている音はアタックがベチッとなっていてあまり良くない。
次に歌詞のニュアンス。
原曲の歌い回しを聞き込み、実際に歌い、ギターに落とし込んで最適な指使い、アーティキュレーションを吟味する。
なるべく同じ弦で弾くのが理想だが、無理な指使いでリズムが崩れてしまっても歌には聞こえない。
スライド1つとってもそのスピード、1フレット前からスライドするのか、2フレット前からなのか、細かく試していく。
また、アーティキュレーションに重心が移りすぎてもいけない場合もある。
スライドやハンマリングなしでズバッとライトなリズムで弾いた方がハマる場合もある。
このあたりは原曲の歌い回しはもちろん、伴奏のリズムとの兼ね合いもある。
バンドでのリード楽器はある程度の揺れやタメは許容されるがギターデュオではそうはいかない。
ニュアンスを大事にしつつもリズムギターに負けないくらい、あるいはそれ以上にグルーヴを大事にしなければ、かっこいい演奏にはならない。
このあたりのバランスは製作中いつも悩む。
レコーディングは神経と体力、そして時間を使う大変な仕事ではあるが、自分たちの音が形となっていくのは本当に楽しい。
明日もガッツリ作品作りと向かい合いたいと思う。