2015年3月23日月曜日

音楽室でのある時間



アコースフィアギタースクールの恒例イベント、初心者向けウクレレクリニックでした。
今回は荒井由実の卒業写真を課題曲に取り上げての開催でした。
クリニックでは最後の時間に会場のみんなで合奏をするんですが、合奏の楽しさというものを皆さんに体験してもらいたいと思っています。

クリニックの時によく話すのですが、僕が今までギターを弾いてきた中で最も興奮した瞬間の1つが中学校の音楽室でのある時間でした。
当時、ギターを初めて一年かそこら、ちらほら弾ける曲ができてきた頃。

音楽室の楽器を自由に使える時間があったので、ギターをやっていた友達とボロボロのクラシックギターを引っぱりだしてBeatlesのGet Backを一緒に弾いてみたんです。

僕がジョンのパートで友達がジョージのパート。
誰かと一緒にギターを弾いたのはその時が初めてで、もう弾き始めた瞬間からもう楽しくて楽しくて、ずっと笑いが止まらなくて、なんだか体が中に浮いてるような感じさえしました。

ビートルズが弾いてるようなエレキギターじゃなくてチューニングもまともに合わないような壊れかけのクラシックギター、でもそんなことは全然関係なくて、お互いの違うパートが絡んで1つの曲になってるのはそれはもう今まで感じたことのないような興奮でした。

僕にとってはこの”初めてのセッション”が原体験として大きく残っていますが、初めて曲ができたとき、初めて人前で演奏したとき、衝撃が訪れる瞬間は人それぞれだと思います。
そしてこういう体験は音楽でないと経験できないものだと思うのです。

楽器を手にとった皆さんにはぜひこの興奮や衝撃を経験してもらいたいと思います。
それはレッスンにおいての僕の最も大きなミッションだと考えています。

あの音楽室での興奮が忘れられずに、またそれを体験したくて今も音楽を続けているように思います。