2014年5月17日土曜日

継続することの偉大さ


発売してから少々経つがポールマッカートニーの最新作、”New”を聞いてみた。

隅々までグッドメロディーが詰まったとても良い作品だった。
ポールが作るメロディーはポール印というか、すぐわかる彼らしい何かがある。
メロディーが似通っている作品はほとんどないが、根底に流れる雰囲気は共通しているものがあるように思う。
さながら「創業当初から変わらぬ味」とでも言おうか。

しかしこの新作アルバム、ひいてはそれに伴うワールドツアーで最も素晴らしいと思う点は「現在も継続している」ということだ。

ビートルズは8年間の間にアルバム12枚、のべ200曲以上の曲を作り発表した。
解散後もポールは数々の名作を発表し、活動を続けてきた。
”New”も久しぶりの新作というわけではない。
2012年にもアルバムを一枚発表している。
作品の総数、活動の継続期間でポールに勝るミュージシャンはいないのではないだろうか。

作品数、活動の継続という点でいつも思いだすのがゾンビーズとプロコル・ハルムだ。
両者ともそれぞれ"Time Of Season", "A Whiter Shade Of Pale"という現在に残る名曲を残しながらもバンドそのものの知名度はそれほど高くない。
その理由は活動期間の長さと作品の数だろう。

ゾンビーズはアルバムを2枚発表してすぐに解散、プロコル・ハルムはバンドの名義自体は長く継続しているが、メンバーの入れ替わりが激しく別のバンドに変わっていってしまった。
もし彼らがずっと活動と制作を続けていたならばビートルズやストーンズと渡り合うバンドになっていたのではないだろうか。
継続することの難しさと偉大さを考えさせられる。

メロディー、コード進行、楽器のオーケストレーションなど現代の音楽家がビートルズから学べることは数多いと思うが、それらを世に放ってきた一人のビートルの変わらぬ姿勢、音楽を作り続けるという姿勢こそもっとも真似るべき点だと僕は思う。