TechCrunchで興味深い記事を読みました。
アプリのあらたな検索技術を生み出そうとしているXyologicという企業についてです。
現在のスマートフォン向けアプリが氾濫状態であり人々が自信の欲求にあったアプリを見つけるのは困難ということ。
そしてその上で従来の検索エンジンはまたく持って役に立たないとのことです。
iOSアプリは今や65万以上以上。iOSアプリでは、全アプリの0.1%が全ダウンロード数の50%を占める。Androidでは、一度でもダウンロードされたことのあるアプリは全体の約30〜50%にとどまるとのこと。
Xyologi曰く消費者が自分の意図や欲求を検索で正しく指定できることは、きわめて稀である。
“パズルゲーム”とか“音楽”など一般的な言葉で検索が行われる
そして人びとはブランド名で検索をしないため、ブランド名の知名度をあげるべく広告にはブランド名が氾濫するのだがそれでも消費者の80%以上は、やはり一般的な言葉を検索で使うとのことです。
自分の身に置き換えてみてもそれは確かな事だと思います。
例えばGarageBandはかなり秀逸なアプリですが、GarageBandという固有名詞を知らなければそのワードで検索することはないでしょうか。
音楽、レコーディング、ギター、せいぜい3つほどの単語を検索ワードとして入れる程度です。
GarageBandはいうまでもなく人気の有名アプリだから検索は容易です。けれどももしそれがが人気商品でなかった場合、検索は至難の技なのではないでしょうか。
この記事で最も印象的だったのが人々が本当に必要とする‘発見’をもたらすという言葉です。
人々は自身の求める商品を容易に発見できないでいるのです。
人々は実際にダウンロードページを見たり、使ってみるまで自身の求めるアプリが何なのか曖昧なビジョンしか持っていないということになります。
ではこの発見をもたらすことを音楽ビジネスに置き換えてみるとどうでしょうか。
CDの売り上げ減少が叫ばれて久しいですが旧来のCDの販売方法では発見をもたらせていないと思います。
前述のブランド名の氾濫と同じくアーティスト名がめまぐるしくメディアで踊っているだけなのではないでしょうか
レコード会社が軒並み規模を縮小しているのもそういったマーケティング法が原因の一つだと思います。
反面YouTubeは視聴者数がかなり増加しているようです。CDを買わずにYouTubeですませてしまう方の割合も相当に高いようです。
関連動画が豊富に表示され、タグがあるので単語だけでも検索し易い機構であり、人々がニーズにあった映像を発見しやすいからだと思います。
先日Acousphere Recordの会議で話題になった残響レコードというレーベルがあります。
CDのジャケットを隠し、音源のみを聞いてCDを買って貰うという販売方法によって売り上げを4倍に伸ばしたそうです。
レーベル自身のイメージをリリースして来た作品と店の雰囲気で確立したうえでこの独特の試聴スタイルによってリスナーに発見をもたらしているのではないでしょうか。試聴を通してリスナーは自身の求める音楽がどういったものなのか発見することができるのだと思います。
情報過多のインターネット社会においてマーケティングのあり方は旧来の知らせるという形からこの発見をもたらす
という方向へのシフトが必要なのではないかと思います。
忘れてははいけないのが、ほとんどの人々が一般的な言葉でアプリの検索を行うという事例。つまり多くの人々は自分がどういた商品や情報を欲していうか明確に認識していることの方が少ないのです。
その曖昧なニーズを良質な商品と情報の伝え方によって人々が自身の中に発見してもらえれば商品は売れるのではないかと思います。