2015年6月7日日曜日

単音、複音、ソロスタイルでメロディーをどう届けるか

今、ある生徒さんとのレッスンで一緒にソロのアレンジを作っている。
そこで思うのはメロディ−をどういうふうに届けていくかということだ。

ソロギターにせよソロウクレレにせよ、メロディーだけを弾いたのではもちろんソロスタイルとしては成立しにくい。
そこにベースラインであったりコードであったりいろいろな要素を足していく。
その折にメロディ−を2音や3音にしたりする手法がある。
シングルノートの時のような歌い方にはならないがハーモニーや音圧感といった別の面白みが出てくる。
ボーカルのような肉感的な表現からより器楽的な表現に近づいてくると言えるだろうか。
オクターブ奏法に切り替えるだけでもずいぶんと表情が変わる。

テクニックや手法にはメリットとデメリットが存在する。
その効能の裏表のバランスをとり、聴き手にどのような届き方をするのかを精査していくのがアレンジの大きな主軸の1つといえるのではないだろうか。

これは人の声であっても同じで、ボーカルがダブリングしてあると厚みがある音になるが、バックの伴奏によりとけ込んだ感じがする。
たとえば、ビートルズではジョンやポールが1人で歌っている曲でも、自分自身で声をユニゾンで重ねている場合録音が多い。
そして曲の途中でそのダブリングが外れて完全に一声になる箇所がある。
その瞬間、今までやや器楽的方向によって伴奏に馴染んでいたボーカルが肉感を取り戻してぐっと前に出てきてハッとさせられる。
メロディーの押し引きを心得た好例の1つであると思う。