2012年8月10日金曜日

レッスン備忘録〜Strongest Position〜

今日のレッスンで師匠から教えて頂いたStrongest Positionというコンセプトについて書きたいと思います。

Strongest Positionとは弦を押さえている左手の指が最も強固かつ確実に弦を捉えられるフォームのことです。

これはTuck Andress氏が提唱しているコンセプトだそうです。

Tuck Andress氏の演奏を見ているとかなり豪快に左手が動いているときがあると思います。ともすると不必要な動きに見えてしまうこともあるでしょう。

実はこの運指はStrongest Positionというコンセプトに基づいたものなのだそうです。






左手の運指を考えるとき、効率や弾き易さを考慮するのが一般的な感覚だと思います。
確かに左手の余分な動きをなくし、素早くコードチェンジを行うのは演奏するうえにおいて重要なことです。

しかしこの効率重視の運指において音そのもののクオリティは幾分無視されているように思います。

たとえばセーハは一つ一つの音の粒が立たなくなります。コードによっては1弦の音がかすれてしまったりします。

セーハをつかわずに弦を一本ずつ押さえるようにすれば一つ一つの音は立ってきます。それによってアルペジオの中にメロディーを組み込む事も可能です。

また見かけ上は同じ運指でも手首の向きや親指のポジションによって指への力の伝わり易さは変わってきます。

この点をないがしろにしてしまうと力任せな運指になり、ミストーンが増えたりテンションの高いギターを持った時に対応ができなくなります。

Strongest Positionは音そのものの発音に重きをおいたコンセプトだと思います。弾き易さや効率を求めた運指のコンセプトより一歩進んだものなのではないでしょうか。

エレキギターやガットギターは弦が柔らかいので多少いい加減に押さえても鳴ってくれます。
ゆえにそれらのギターをプレイしているギタリストは左手の意識が薄くなりがちだと思います。

Strongest Positionを意識して運指を組む事で素晴らしいトーンに一歩近づけるのではないでしょうか。