2017年1月24日火曜日

アクセントとはなにか。アクセントに関する考察と再定義



リズム表現には不可欠とされているアクセント。
アクセントがあることによりリズムに躍動感を与えること、ジャンルの表現を行うことができる。
そしてアクセントとは特定の拍子を強調すること。

以上がアクセントにたいする一般的な認識であると思います。
しかしストロークによるタイム感、グルーヴ感を追求するなかでこうしたアクセントに関する認識と表現に疑問を感じてきました。
今一度、アクセントという事象のあり方について問題提起をしたいと思います。


アクセントに対する疑問の発端
ストローク、またはカッティングにおいてアクセントはしばしばリズムの流れを歪めてしまうことが多いです。

アクセントのない、いわばダイナミクスの少ない演奏の方が心地よいリズムの表現に繫がる場合が多いのです。
特にレコーディング/ミックス時にはその方がオケの中での馴染みもよく扱いやすいです。
コンプレッサーなんていう音量を揃える仕組みまであるぐらいですからね。

視点を変えてロックドラムを例にとってみるとアクセントの位置にはスネアがきます。
しかしスネアの音がとりわけ大きいかというとそうではありません。
ハイハットとは違う音がなって目立っているだけで音量の増幅という意識を以て叩くかというとそうではないと思います。
スネアの音だけが大きいと不揃いな下手なドラムプレイに聴こえます。


アクセントは脳内で補完される
ここまでで見えてくることはアクセントとは必ずしも音量の増幅が要求される事象ではないということです。
目立った音、前後とは違う音が入ることでもアクセントになるということです。

ここで書いておきたい事象がもう一つ。
ギターのストロークにおいてアクセントをつけた弾き方をしなくとも、そのパターン次第でアクセントがあるべき場所が聴こえてくるというもの。
聴き手があるパターンを聴いたとき足踏みや手拍子が自然とできるということがその証明になると思います。
アクセントはリズムのパターン次第で脳内で補完されるとも言えます。
となると音量の増幅や音質の変化はアクセントそのものではないのではない、と言えるのではないでしょうか。

音量増幅はアクセントのための手段に過ぎない
リズムパターンはリズムの区切れ目の違いと言い換えることができます
すなわちアクセントとはリズムの区切りの明確化であるといえるでしょう。
その区切れ目をどれだけ明確に表現するかによってリズムのニュアンス、グルーヴが変わってくるということですね。
音量の増幅や音質変化はアクセントそのものではなくアクセントのための手段に過ぎなかったというわけです。

また音楽表現においてそのリズムの区切り明確化は必要十分の範囲であるべきです。
文章で例えると句読点がなくても文節や文章の区切り目はわかりますよね。
これが自然とアクセントが補完されている状態です。
ここに少しのわかりやすさを音量増幅などの手段を用いて加えてあげるのが正しいアクセントの表現なのではないかと思います。
これが、過剰に、なる、と、この、ような、流れが、わかり、にくい、文に、なるのだと思います。


まとめ
アクセントとはリズムの区切りの明確化である。
明確化であり強調ではない。強調してしまうとリズムの流れを歪める
音量増幅や音質変化は明確化のための手段。
そういった手段の過剰な活用はリズムの区切りの強調につながる。
以上、リズム表現におけるアクセントについての考察とアクセントという事象について僕の解答となります。