2015年5月10日日曜日

パット・メセニーの右肩は下がっている。


パット・メセニーの右肩は下がっている。
なぜだろうか。

アル・ディメオラは反対に左肩が下がっている。
これはやってみるとわかりやすい。
座ってギターを水平に構え、右肩をギターに預けるようしてホールドすると右肩が結構上の方にくる。
こうすることで膝と右肩で完全にギターをホールドできるので、右腕は肘から先が、左腕は肩からまるごと自由になる。
アル・ディメオラの映像をみると左手は肩ごとぐねぐね動く。
つまり腕全体で押弦しているのだ。
自由になった左肩を下げることで左手が指板に対して大きく回り込むのでより最適な指のポジショニングが容易になる。

ではパットの場合はどうなのだろうか。

・逆アングルピッキングなので自然とそうなる
同じ逆アングルでもジョージベンソンのようなスタイルであればそうなるかもしれないが、パットの場合は三本指でピックを持っているので腕をまっすぐにしても逆アングルで持てる。
なのでこの可能性は低そうだ。

・肘でギターを押さえ込んでいる
歯ブラシでストラップを留めていた時代に特に顕著だがギターが若干上向きになっている。
こうなっていると左手の視認性が向上する。また左手の自重で弦を押さえる力をサポートでき、よりがっちりと押さえられる。
そのギターが上向きのポジションを得るために右手で押さえむようにギターを持つ。その結果右肩が下がってくる
パットの前腕部はいつも筋張っていてムチッとしている。
この可能性はわりとあるかもしれない

・右肩が下がっているんじゃなくて左肩が上がっている
パットの特有の左手の形、親指を薬指上に出すインポジションの形。
この親指出しを手首だけでなく腕全体でサポートしている。
やってみると手首だけよりもやりやすい。
若干力んでているような気もするが、このぐらいがんがん力を込めて弾いた方がパットに近い音がすると思う。

今のところの考察としては右、左ともに力を漲らせて弾いている結果のこのフォームなのではないだろうか。
大股開きの下半身も加味するとまさに全身で弾いていると言える。