2015年5月1日金曜日

古人の跡を求めず、古人の求めたる所を求めよ


ここのところ、Pat Methenyの研究を進めるべく、Jamesのコピーをしている。
音を追うだけでなく、指使いやフレーズのコンセプトまで考察するいわゆる完コピという作業だ。

目的はパットと同じ音を単に弾けるようになることではない。
パットの考えていることを知り、パットのセンスを自分の中に取り込むことだ。

パットはこう考えてこのフレーズを組んだのではないだろうか、こういうふうに指板を見て運指を作っているのではないだろうか。
いろいろな仮説を立てながらコピーを進めていくと、だんだんパットの頭に中が見えてくる。
そうして研究を進めていけばパットが持っているのと同じセンスが自分の中にだんだんと育ってくる。
そうして初めてパットに迫る作品が作れるようになると思う。

松尾芭蕉曰く「古人の跡を求めず、古人の求めたる所を求めよ」
パットの求めたる所というものを自分もぜひ見てみたい。
まだまだ現役で音楽を作り続けているパットに向かって「古人」とは少々失礼かもしれないが、これこそコピーの本質だと思う。