2017年8月25日金曜日

マイクスターンのライブで気づいたことと、本人に訊いてみたこと


コットンクラブに尊敬するギタリストであるマイクスターンのライブを見に行ってきました。
ステージを見て多くを学べたのはもちろん、クロークエリアでサインに応じていたマイクスターン本人に直接質問するという機会にも恵まれとても貴重な時間となりました。
訊きたいこと、見たいことがたくさんあったので公演には2回足を運んでしまいました。
ステージの模様やマイクが答えてくれた内容などについて書きたいと思います。


機材について

ギターはヤマハから出ているシグネチャーモデル、アンプはフェンダーのツインリバーブと思しきコンボアンプ2台。
スペアかなとも思いましたが、入場後、2台とも電源を入れていたのでステレオで鳴らしていると思います。

足元はよくネットで書かれてますがbossのみ。
Bluesdriverの新製品、技クラフトとがありました。
そしてディレイのDD3が2台。
マイクのトレードマークであるコーラストーンはこのディレイで作っているんですね。
もう一台はソロの終盤で派手にディレイをかます時用でした。

演奏について

マイクに限らずメンバー全員が非常に自然体。
気負うでもなく、変にリラックスするでもなくすごいテンションの演奏が飛び出してくる感じ。
この自然な感じはキャリアがなせる技か??


コンセプトの切り替えやフレーズの合間の呼吸が4小節単位になっていることが多いように聴こえました。
またドラムのフィルインのタイミングで色々切り替わるので非常に明快。
チョーキングのロングトーンを呼吸やフレーズの仕切り直しに使っているのではないかと思います。
これが起承転結やフレーズのまとまりにつながっているのではと思います。


アウトフレーズは今鳴っているコードとの兼ね合いでフレーズそのものを面白く聞かせる場合とドミナント的に次の小節の頭で解決するように持って行っているものの2種類あるのではないかと思います。
これはアウトフレーズ出なくてもですがトニック的にステイするタイプのフレーズとサブドミナントやドミナント的に次に向かいたいフレーズを使い分けることで音の行き先をコントロールできるのだと思います。


マイク本人に訊いてみたこととその答え


Q.ペンタトニックでアプローチしている時はどのくらいコードトーンについて考えますか?

A.特に意識はしていない。喋ったりするのと一緒でフィーリングに従う。
(勉強の)初めは確かにコードトーンだがそれがだんだん自然となりセカンドネイチャーのようになるんだ。

考察
大事なのはフィーリングに従うという言葉の表面だけを捉えないこと。
コードトーンを意識して弾く練習を積み、鼻歌で歌った時もコードトーンという最も大事なノートを自然と選択できるようになるまで鍛錬すべし、ということを初めはコードトーンの一言から伺い知れると思う。



Q.リフものやワンコード上でもアドリブで何かマイナー系のスケールを弾くとき、メジャー7thのノートを使いますよね?
それは今鳴っているコードに対してのドミナント7thの響きに聞こえるんですが、Ⅱ−Ⅴやドミナント7thのイメージを持って弾いてるんですか?

A.ああ、メジャー7thのノートは使う。
Ⅱ-Ⅴをイメージするときは時々あるけれど、マイナーメジャー7thのコードを想定して使っている。

Q。では今鳴っているコードとは別のコードを想定して弾いていくというやり方ではないんですね?

A.それもたまにやるよ。例えばジャイアントステップスみたいなね。

考察
この質問はフレーズをコピーした上で導いた仮説だったのでなんとしても本人に聞いて見たかったものです。
結果はあまり難しく考えずにシンプルに考えて弾いているとも取れるものでした。
確かにⅡ-Ⅴを設定して弾いていくというのはなかなか小難しいし、スピード感が出ないのかもしれません。
違うコードを想定するときはジャイアントステップスくらいガチガチのものをやるときくらいということなのかもしれません。
とはいえマイナー上でのメジャー7thのノートはドミナント感がすごく強く表れるノートなので前述のコードトーンの感覚が優れて入れば進行感のある良いメロディーとして自然と選択できるし、そのような選択肢をすっと取るためにマイナーメジャー7thというものを選んでいるのかもしれません。
しかしマイナーメジャー7thのコードというのが少し解せません。
スケールならばハーモニックマイナーといったほうが早い気もするし。
ここはこの話を元に今後もっと深めてアナライズし直しですね。


話しかけて僕が”It was amazing show!”などと言ってるときは例のニマ〜ッとした表情でおどけて”thank you”とか言ってたマイクですが” Can I have a question about guitar?”と切り出してみるとすっと真剣な目になりしっかりと向き合って答えてくれました。
そのまっすぐな表情に感激しました。

次回、もしまた話ができるような機会があれば、そのときにはもっと確信に迫るような質問ができるようにまだまだ勉強と練習を重ねていきたいと思います。
よくそんなところ気がついたな!とマイクが喜んでくれるような質問を投げかけるようになりたいですね!