2011年10月29日土曜日

ビートルズっぽくなる!コードフォームを紹介!



Editor : Yosuke Hayashimoto (Sonascribe)
みなさんこんにちは。

Sonascribeのギタリスト、林本陽介です。

ビートルズが使っている、ちょっと変わったコードフォームを紹介します!

ちょっとのアイディアで曲の雰囲気が大きく違ってきます!


まずはこちら 
通称ビートルGなんて呼ばれることもあるGのコードフォームです。

普通もGだと2弦は何も押さえずに開放弦を鳴らすのですが
ビートルズは2弦を薬指で押さえています。





このフォームのメリットはズバリ
響きがグッとソリッドになる事です。
つまり締まりのある、よりロックっぽいサウンドになるといった感じでしょうか。



その理由を解説します。

ノーマルGの2弦開放の音は長3度の音、ビートルGの2弦2フレットの音は5度になります。

コードは通常、ルート、3度、5度が中心となってできています。

簡単にいうと3度の音はコードの響きの明暗を決定する音です。
3度の音によって響きに広がりがでます。

一方、5度の音には3度のようにコードの明暗を決定づける働きはありません。
なのでルートと5度の音のみのコードは、いい意味で無機質でストレートに響くんです。

ロック奏法の要である、低音弦2本を使ったパワーコードはルートと5度のみでできたコードです。
その響きをイメージしてもらえれば、ソリッドな響きというのがわかりやすいと思います。

ノーマルGでは2弦と5弦に3度があるのに対し、
ビートルGでは3度の音は5弦人差し指の一つしかありません。
よって、パワーコードに近い、力強い響きになるというわけです。

さらにビートルGにはメリットがもう一つ。
押さえた、1弦と2弦をカッティング時のように押さえたり浮かせたりする事
で歯切れの良い、シャープなストロークになります。

She Loves YouやA Hard Days Nightでは
開放弦が含まれたコードフォームとは思えないほど切れ味の鋭い、ジョン・レノンのリズムギターを聞く事ができます。




これらの2つのコードフォームの特徴は
コード内のどれかの音を1弦でも鳴らして、一番高い音を揃えている点です。

コードで1番高い音となる、1弦や2弦の音を同じにすることで、
コードの流れに大きなまとまりが感じられます。

このアプローチはジャズの伴奏でも使われる方法です。
ジャズではコード外の音もテンションという考え方でガンガンコードに加えていきます。

一般的なコードフォームで演奏されている曲もこのアプローチで演奏してみると
ひと味違って聞こえるのではないでしょうか。

テンションはロックにおいては違和感のある雰囲気になってしまうこともあるので、
コード内の音で、なるべく近い音で揃えていくという意識でいくとよいと思います。







2弦4フレットで7thの音が鳴っているF7のフォームです。

この7thの音は1弦1フレットの音と2度という近い音程になり、独特の響きになります。

このような半音や全音の音程を含むコードはクラスターコードと呼ばれ、ジャズでは積極的に用いられます。



ビートルズはコードよりもコーラスでよくクラスターの音程を使います。
She Loves Youのエンディングの最後はジョンとポールの声が全音で重ねられています。

しかし、このコードははっきり言って、なかなか押さえるのに苦労します。
ビートルズが使用していたリッケンバッカーはショートスケールだったので、
このようなコードフォームを開拓するできたのではないでしょうか。


メロディやコード進行が特に取沙汰されるビートルズですが、今日紹介したような小ネタの宝庫でもあります。

小ネタとは言うなれば、細かなこだわりです。
こうした小ネタを少しずつでも取り入れていけば、演奏や楽曲のクオリティも上がっていくはずです!
ぜひこれらのコードフォームのアイディアを試してみてください!

SONASCRIBE
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